石川県立輪島高校創立百周年記念サイト

旧職員からのメッセージ

山本 武志(第18代校長)
◆歴代校長メッセージ

いつ帰れるんだろう?

山本 武志

第18代校長

輪島高校に着任直後 、おおいに面食らうことが二つあった。校長の勤務時間と入学式に関することである。

能登地区に定時制高校が三校あるが 、その設置形態は少しずつ異なっている。羽松高校は、多くの全日制高校と同じように単独校である。七尾城北高校は、体育館だけ七尾高校と共用であるが、校舎は別にある。 さて、わが輪島高校はといえば、教室は共用、体育館は勿論共用、おまけに校長までもが共用?となっている。

そこで、当時校長職にあった我が身にとって一つの難問にぶつかることとなる。勤務時間がそれである。教職員の勤務時間は、全日制が8時30分から16時30分。一方、定時制は14時から22時となっている。では、昼夜兼務の校長の場合はどうなるのか。単純計算をすれば、全日制の8時30分に始まり、定時制の22時で終了する。なんと、一日13時間30分の勤務となる。実に、毎日5時間30分の超過勤務を強いられるという、とんでもない事態に陥る。オレはいったい、いつになったら家へ帰れるのだろうか?

この辺りの事情について、当時の定時制教頭、藤昭彦氏に尋ねてみた。すると、「タ礼が終わったらお帰り下さい」と、こともなげな返事がかえってくる。定時制の職員打ち合わせ〈=夕礼〉は17時であるから、得心がいった。やっと世間並の時間に解放されるようで安堵した。

2点目の入学式に話を移そう。体育館での160名の新入生を迎えての入学式を終えて、校長室で一服する間もなく、午後には再び礼服に着替えて、会議室でのこじんまりとした入学式に臨む。

一日に二度式を挙げるなどということはそう、さらにあることではない。ある校長仲間に言わせると。「式は二度でも、式辞は一本でいいゃないか」と言うが、そんな単純なものではあるまい。昼、夜それぞれに、学ぶ対象が違うのだから、それぞれに本校で学ぶ意欲を喚起させるような内容でなければなるまい。 国語教師の腕の見せ所とばかり 、随分と頑張ったように思う。

卒業式は、体育館での合同挙式となるから、勿論、式辞は一本で済む。しかし 、その内容は通り一遍のものであってはならない。入学式の場合と同様、内容には十分な吟味が必要となる。今、手元にその当時の原稿があるが、読み返してみて、まだまだ不十分なものであったと深く恥じ入っている。

わずか一年の勤務で、七尾高校へ呼び戻され、ここで百周年に関する諸事業を主宰するという重責を負わされる羽目となった。来年、輪島高校は百周年を迎えると耳にしている、百周年がらみでこの駄文をものする機会を与えられたことに感謝したい。

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