輪島高校の創立百周年、誠におめでとうございます。私が赴任した平成24年は、輪島高校と輪島実業高校が統合して4年目でした。普通科・総合学科とも、それぞれの特徴を顕在化し、実のあるものにしようと、充実した教育活動が展開されていました。
赴任当初感じたのは、生徒たちの意識の高さです。学習でも部活動でも、それぞれが個性や能力を発揮しながら、自らの目標に向かって邁進していました。一方で、能登の生徒らしい純朴さや若者らしい溌剌さを感じることも多く、こちらが癒やされるような場面もありました。先生方はそんな生徒達と真摯に関わり、ポテンシャルを引き出そうと様々な取り組みを行い、成果を挙げていました。
PTA活動も活発で、事あるごとに保護者が熱心に意見を交わすのが常でした。特に文化祭の準備は賑やかで、発表に向けて保護者有志とともに、EXILEの「道」のハモりを練習したのは良い思い出です。
古典「管子」に「終身の計は人を樹うるに如くはなし」とあるように、輪島高校は創立以来、長きに渡り有為な人材を輩出してきました。時代は巡り、現在はネットやSNSが跋扈し、コロナの影響が残るなど、世の様相が一変しています。また、能登の人口構成や産業も大きく変化し、然るべき人材育成が求められています。しかし、どんな世であっても、生徒達は今後も「誠実・覇気・努力」のスピリットを引き継ぎ、邁進していくことでしょう。輪島高校の益々の発展を心から願いたいと思います。